入 学 式 挨 拶

 

 ご入学、おめでとうございます。日頃よりご支援を頂いている方々を御来賓にお迎えし、かくも盛大な大阪区民カレッジ第12回入学式を執り行えることは、大きな喜びであります。

今年度は昨年の住之江・住吉校開校に続いて新たに平野校を開校し、市内計9校となりました。一部で定員未達校もありましたが、受講生367名の方々がめでたくご入学されました。

入学者の平均年齢は年々上昇しておりまして、今期は0.4歳増えて74、2歳。75歳後期高齢者の域に入りつつあり、皆さん元気な現れです。

 お陰さまで、このように伸長していますのは、後援をいただいている大阪府はじめ大阪市、大阪市教育委員会、大阪市社会福祉協議会、そして共催をいただいている、大阪市コミュニティ協会、大阪府高齢者大学校、大阪府民カレッジそして大阪市シルバーアドバイザー連絡協議会他多くの各種団体、個人さまからのご支援にて、今日があると、感謝しております。

 大阪府からは、アクティブシニア溢れる事業の一環として、各校は「シルバーアドバイザー」養成校と承認されています。

修了生は地域活動を推進するボランティアとして、大阪府内での活動実績を申請することにより、審査の上、大阪府知事より「シルバーアドバイザー」の認定書が授与されます。 アクティブシニアの公的認証でございます。

すでに多くの方が地域で活動されています。

 振り返りますと、今4年は新型コロナウイルス感染症(コロナ)が発生し、社会生活、カレッジ生活が大きく制限されました。その間、皆さまと共に感染予防に注力して、大過なく乗り切ってまいりました。

今日、コロナの扱いは一般的なインフルエンザ並という環境下にあります。

高齢者が感染すると重症化リスクが高いと言われています。私たちは今しばらく、先行き不透明な中、慎重に対応していきましょう。安心・安全なカレッジは私たちの望みです。

当カレッジの運営は、すべてボランティアによって成り立っています。ご講義や地元をガイドして頂く方々は、すべてボランティアで参加です。皆さま方はこれからクラス運営で、何らかの役職を務められる活動もボランティア

です。皆さまをお世話し共に歩むカレッジ運営者も、みな受講生出身で、ボランティア参加です。

これらが三者三様に、互いに協力しあって、今日の発展があります。ボランティア活動はみんな違うことを認め合い、お互いが平等な立場に想いを込めての活動です。そして、自己の想いの実現を図り、謙遜に共に生き甲斐のある人生を送るための活動です。

 理念や規則が私たちを良くしてくれるものではなくて、大切なのは私たち一人一人が活動努力する事によって、組織が強く良くなって参ります。

今期は久々に、定員未達校がでています。過去に甘えることなく、とらわれることもなく、今日の時代の流れ、環境の変化をしっかり受け止めて、改革・改善へ。 明日に向かって共に歩んでいきましょう。

 木々は日々若葉を繁らせ、桜は満開になったと、楽しんでいる内に、もう散り初めています。自然の世界は毎日が新しい。日々新たなり。春の景色は日々、目まぐるしく変わっていきます。 自然の中で生かされているわれわれの体と心も、取り巻く環境も更新されていきます。

 歳を重ねるとだんだんその気持ちが薄れてくるようです。

生活に対する慣れが、物事についての新鮮な興味を失うことに基づくものでありましょう。繰り返しのような 日々も、見つめれば、日々変化し、新しい発見があります。日々新たなり、日々新たなる者は日々進なり。

何歳であろうが、謙虚に新鮮な気持ちで成長し続ける事が重要です。過去に受けた講義からの引用ですが、作家城山三郎氏は「静かに行くものは健やかにいく。健やかに行くものは遠くまでいく。」

また、「僕は一日一生という言葉が好きです」

「毎日を一生の思い出で生きる」と述べておられます。

また、ある高齢者のことばとして「私は毎日、闘っている。社会と闘うだけでなく、プライドを保つため、自分と闘っている」いい言葉ですね。プライドを失えば生きている価値は半減します。

第12期が始まります。ウイズコロナ、新しい生活を創っていくことになります。新しい門出をするものには、新しい道が開かれています。

加齢により身体的機能は低下していきますが、軽やかに生きる知恵は増していきます。サミェル・ウルマン「歳を重ねるだけで人は老いない。夢や理想を失うとき、はじめて老いる」いわく「夢は逃げない、逃げるのは自分だ」とも「一生感動、一生青春」ですね。

過去を一度リセットして、こころ新たに一からのカレッジ生活を学び、仲間と共に楽しんで下さい。

 グローバル化、情報化、大きく変わりつつある社会の中にあって、我が国は少子超高齢ヒ社会がすすんでいます。 2023年10月1日の速報値では65歳以上は全体の29. 1%。 15歳以上でみると32. 9%です。出生者が少な

いこともありますが、一方、幸せなことに平均寿命が延びてのことでもあります。

私たち元気なシニアが地域を支える担い手として、行政や地域団体と協働して、より活動することが求められています。みなさま方の長年培われてきた知恵、経験、その豊かさ、すなわち大きな財産を活用し、これからのカレッジでの学び、実践、そして交流の輪を通じて、私達の大好きな町をお世話になっている町を仲間と共に、より一層盛り上げていきましょう。私たちの健康の秘訣であります。

この一年間が私たちにとって、より健康で有意義な年でありますよう、お互いに手を携えて進んでいきましょう。

最後になりましたが、入学式を企画運営されておられる方々に感謝申しあげます。

 日に新たなり、日々新たなりまた日々新たならん、皆からあこがれるシニアへ。 共に学び楽しみましょう。

簡単ではございますが、入学式の挨拶といたします。

特定非営利活動法人 大阪区民カレッジ 

理事長 北田 一誠